熟成庫の中のワインはそれぞれの古さに従って整理されています。樽は列を成して3~4層に積み上げられ、各列がひとつの段を形成しています。一番下の列もしくは段は、床(スエロsuelo)近くにあるため“ソレラsolera”と呼ばれ、一番年数の古いワインが入っています。すぐ上の段の樽は“第1クリアデラ”と呼ばれ、いくらか若いワインが入っています。第2クリアデラに入っているのはさらに若いワイン、というふうにして最後のクリアデラにまで至ります。
消費用のワインは常にソレラの樽から引き出されます。この工程を“サカ”と呼んでいます。1回のサカではソレラの各樽からその容量のほんの一部だけを引き出します。その後、消費用に引き出された量のワインは、2段目(第1クリアデラ)の樽のワインで補充されます。
次に、第1クリアデラから引き出されたワインは第2クリアデラのワインで補充され、同様にして、システムの一番上で、最も若いワインが入っている段に至ります。この工程をヘレスでは“コリダ・デ・エスカラ(段追走)”と呼んでいます。
最も若いワインが入っている一番上のクリアデラを補充するのには、ソブレタブラと呼ばれる、酒精強化された新しいワインを使います。
シェリーの熟成システムは動的で、若いワインがより熟成されたワインと順序だって混合されていきます。その目的は、何年もかかって古いワインと混じりながら出来上がった特徴を若いワインが少しずつ身につけていくようにすることです。