9月の初め頃、緑色だったぶどうの果梗が黒くなり、実が柔らかく、甘くなって熟します。
収穫を始める日は決まっていません。それは実の熟成度によるからで、ボーメ度が少なくとも10.5でなければなりません。
収穫は通常9月の第1週の末に始まり、20日ほど続きます。そしてぶどうの実がプレス工場に最も良い状態で届くように、手で摘むのが普通です。
ペドロ・ヒメネスとモスカテルの品種で甘口ワインを造るためのぶどうは、エスパルトという草で作った丸いござの上に置かれ、野外で天日に干されます。これは実が含んでいる水分を蒸発させて、干しぶどう状にするためです。
ぶどうは収穫されるとプレス工場に運ばれます。この地域ではプレス工場は畑の中もしくは街の周辺にあります。軽い圧力で得られる果汁はモスト・デ・イェマと呼ばれ、ぶどう100㎏当たり70リットルの割合でとれます。このモスト・デ・イェマだけが熟成されるシェリーのもとになります。
シェリーの産地では発酵の工程が2つのはっきり異なった段階に分かれます。最初に激しい発酵が起こり、この工程でぶどうが持つ糖分の90%以上がエチルアルコールと炭酸ガスに変わります。最初の36時間は大変激しく、気温によって3日から7日間続きます。
発酵の最初の段階が終わると第2のゆっくりした発酵が始まり、11月頃終わります。この間に若いワインは成長し、特徴をつけていき、その特徴が最初の分類で問われます。